楽器を持たないパンクバンドBiSHの魅力が詰まった名曲選!

楽器を持たないパンクバンドBiSHの魅力が詰まった名曲選!

BiSHは2015年1月にかつて伝説的なアイドルグループ「BiS」を手がけた渡辺淳之介(わたなべじゅんのすけ)が「Bisをもう1度やりたい」として立ち上げたアイドルグループ。

その楽曲のほとんどをBisの頃と同じく渡辺淳之介とSCRAMBLEの松隈ケンタ (まつくまけんた)が手掛けています。

大きな特徴としては「Bis」を受け継ぐ「エモい」歌詞と曲調。

人間の内面をえぐり取ってくる楽曲にはロックともポップとも違う「パンク」が存在しています。

「パンクバンド」と自称しているのは曲調だけではなく刹那的な表現に「痛み」と「懐かしさ」が混在するため。

そんなBiSHの数ある名曲の中から厳選した名曲を紹介します。

とにかくエモい!BiSHの表題曲「オーケストラ」

BiSHの楽曲を聞いたことが無いという人にまずおススメしたいのがこの「オーケストラ」です。

2016年10月5日にメジャー第1弾として発売されたアルバム「KiLLER BiSH」に収録された1曲。

アユニ・Dが初参加したこの楽曲が現在のBiSHを体現する代表曲です。

女子高生特有の淡い気持ちをミュージックビデオで表現!

ミュージックビデオでは、女子高校生役を花音(当時は涼海花音)とりーめろ先輩こと莉音が演じ、監督はMr.Children の「Sign」えお手掛けた大喜多正毅(おおきた まさ)。

少女特有の友情から恋になるかもしれない、あの年代特有の感情をキレイに表現した映像は岩井俊二の映画「花とアリス」に匹敵するほどです。

そしてライブパフォーマンスで見せる表現でも女性同士の友情や絆を感じさせ、教科書通りの「エモさ」。

この曲調と歌詞には、懐かしさというか聞く人それぞれにとって何かに魅了された時代の瞬間を再現されたかの様な、胸が締め付けられる悲しさと懐かしさ、一瞬の美したが共存しています。

そしてパフォーマンスで見せる小指を突き出した「約束」のサインがまさか後に活きてくるとは。

アイドル特有のコールは抑え目で振りコピがメインというところにも曲の持つ強さを感じます。

苦難を乗り越えた瞬間が熱い!「プロミスザスター」

2017年3月22日にリリースされたシングル曲でオリコンチャート週間4位を獲得した人気曲です。

メインボーカルを務めるアイナ・ジ・エンドが声帯の治療のため、休養に入った後の復帰第1作。

歌声を聞くまでは不安でしかなかったことを覚えています。

ファンとの約束

 

帰ってくることを期待した「清掃員(BiSHのファンの呼称)」と帰ってくることを約束したBiSHの絆の深さを感じさせるこの楽曲。

ここにきて「オーケストラ」で小指を突き立てたシーンが活きてきます。

そしてミュージックビデオではモデルで女優の田中真琴が主演。

全力で疾走するシーンとBiSHのパフォーマンスからは刹那の輝きを感じさせ、痛みを感じる程に来るものがあります。

「BiSH-星が瞬く夜に」は原点にして最高傑作!ライブでの連続披露で伝説に!

BiSHのインディーズ1作目のアルバム「Brand-new idol SHiT」に収録されたリード曲です。

この楽曲はまずミュージックビデオ。

汚物にまみれるメンバーをただ取り続けた映像には渡辺淳之介の「BiSをもう一度始める」という思いが本気だったと気付かされることに。

そしてこの楽曲を不動のものにしたのはあの9連発したライブです。

「TOKYO IDOL FESTIVAL 2015」に出演したBiSHが初日にライブを行い熱狂させた後、2日目を「アーティスットの事情によりキャンセル」となり炎上する事態に発展。

さらにZepp Tokyoでのワンマンライブを「TOKYO IDOL FESTIVAL 2015」の略称「TIF」にもじった「TBS」にし、「TIF」の2日目のリストバンド所有者から1,500人を無料で招待するライブを慣行。

この騒動はネットニュースにもなり「元々仕込んでいたのでは?」と陰謀説が飛び出す程でした。

リベンジに燃えた翌年の「TIF」でも事件を起こした!

そんな中、迎えた「TOKYO IDOL FESTIVAL 2016」で因縁のステージに立ったBiSH。

そこで彼女たちは2日間で9回も「BiSH-星が瞬く夜に」を披露する異例のパフォーマンスを披露しました。

最初こそ盛り上がったものの次女に戸惑う客に対して「飽きてんじゃねーよ! こっちは本気なんだよ!!」と絶叫。

ステージも客席もトランス状態となり、涙を流す客の姿もありました。

この事件以来、BiSHの「BiSH-星が瞬く夜に」は伝説的な曲に昇華。

多くの音楽番組でも披露され代表する楽曲となりました。

今に時代に届けるソーシャルディスタンスMVに注目!「LETTERS」

2020年7月22日に発売されたメジャー3.5thアルバムに収録された表題曲。

新型コロナウイルス感染症の流行によりライブツアーが中止になったことを受けて制作された楽曲で、BiSHの思いと渡辺淳之介と松隈ケンタの思いが詰まった名曲です。

ミュージックビデオでは現在の世界を象徴するかの様に、誰もいない渋谷が舞台になっており、「SHIBUYA SKY」から「タワレコ」や「PARCO」の屋上で旗を振る1人ずつのメンバーにズームアップしていく撮影方法。

今は離れていて会う事が出来ないけど、とにかく思いを伝えようとする意志がはっきりと表れた歌詞と細やかな旋律からなる曲調に感情が揺さぶられること兼ね合い。

逆境の中でこそ人の本性は見えてくるものですが、BiSHは逆境でこそ光り輝くグループでありそれを体現した傑作です。

曲のラストで人差し指で天を指すシーンに「今は1人だけど、独りじゃない」という思いを感じさせる演出。